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「ボクたちのなかにいるトランプは静かに微笑む」ってお話

こんばんわ。くらげです。

本日、世界がとんでもないことになりました。米国大統領選でトランプが勝利したことです。NHKを見ていても「ありえない」「例のない」「史上最大の選挙上のハプニング」とか否定的な驚きの形容詞が踊っています。本日はこの衝撃について考えて見たことをつらつらと書いてみます。

くらげの身近なところでの影響

SNSでは

SNSでもトランプ当選を受けて大荒れしています。大半はトランプ当選について今後の情勢を悲観するものです。残りの少数は「トランプ当選おめでとう」というよりは、「リベラルざまぁ!」と言う反応ですが、誰も純粋にトランプが当選して世界がよくなる!と発言しないのはすごいよね!

職場では

身近なところだと職場のアメリカ人スタッフが完全に昇天して仕事になってないとか影響出てますけど、これからどんな事態になるのかはほんとわかんないですね。

発達障害の傾向で受取り方が変わる?

正直、この先がどういう世界になるか読めない面では脳汁どばどば出てて、話していたアスペルガー系の人から「あんたADHDだわ」と指摘されたのがハイライト。逆にこの方は「世界がどうなるか分からないからめっちゃ怖い」と言っておりましたけど。なお、あおは「もうちょっと粘ってれば駅で号外もらえたかもね」とかのんきなもんで、ニュースを見ても「誰も笑ってねぇ!」と本質を突いてるのかついてないのか分からない突っ込みをしながら笑ってますけど。

なぜ世論調査は外れたのか?

ほとんどのメディアはクリントン有利の予測だった

さて、ちょっとツイートを眺めていましたが、流れてくるのは「なぜ世論調査ではクリントン楽勝ムードだったのにトランプが勝ったのか」という疑問です。女性蔑視・人種差別をあらわにする差別発言を連日行い、経済政策についてもとんちんかんで外交音痴な政治経験のないジジイがまずなぜ共和党から指名されたのか、あまつさえ当選してしまったのか。

今回の大統領選ではほぼすべてのマスコミでヒラリー有利の報道でした。投票日直前の報道でも、全体的な割合でも数ポイント優勢、確実に獲得できる選挙人ではほぼ二倍の差をつけており、わりかし「ヒラリー楽勝モード」でしたね。いざ開票が始まると楽勝モードはたちまち吹き飛んで、トランプが逆転勝利したわけですが。この移行グラフがアレに似ていると一部で話題のなのはさておくとして、「楽勝モード」の情報が流れてしまったのか。

「隠れトランプ支持者」という予想外のファクター

当選確実になってからすでに無数の考察が出ていますが、ボクが気になったのは「世論調査が米国民の投票先を正確に調査できていなかった」というところです。先にレビューを書いた「情報参謀」にも書いてあったことですが、「情勢を正確に読み、適切なてこ入れをできた方が勝つ」というのは選挙においても鉄則です。

SNSでは「世論調査が正確に選挙に反映していなかったのは、隠れトランプ支持者が予想外に多かった。」と原因を指摘する声があります。ボクもこの原因はあり得ると考えますが、洗練された調査方法と理論を持つ調査機関が完全に間違えた、というならかなり大きな要因がありそうです。

差別を表明できないからこそヒラリーは誤った?

そこで、何が「戦場の霧」を深くしたかと考えてみると、「差別は娯楽」というボクが常々考えているとことと合致しました。選挙戦を通して見る限り、トランプはどうしようもない差別主義者です。これまでの候補者ならトランプ失言の一つ分で失脚してるでしょう。

この差別発言は「常識的な選挙」に飽き飽きしている人にとって「楽しい」ものだったのは我が身を省みても理解が難しいものではありません。差別まで行かなくても、誰かを馬鹿にして連帯感を深めたり、酒の席や休憩室で盛り上がることはあるでしょう。また、「ちょっとしたこと」で「差別だ差別だ」と糾弾される世の中になっているという窮屈感を訴える人は少なくありませんこの二つが合わさると、トランプがゲスい発言をすればするほど「普通なら糾弾されることを堂々と言えるトランプかっこいい!」と支持する人は水面下では増えていったのではないでしょうか。

一方で、「差別」はいけない、トランプの発言は差別的だ、と理解している「頭のいい人」はトランプ支持を表明することで差別主義者のレッテルを貼られることを恐れ、世論調査や家族友人の会話では「ヒラリー支持」や「わからない」とごまかしていた。支持する人は増えているのに世論調査には支持者の実態が現れない。その調査に安心したヒラリー陣営が気を抜き、トランプ陣営は猛烈に巻き返したことは最後の3日間の両サイドの動きを見れば明らかでないでしょうか。

この差が「トランプ大統領」を実現させる働きになったとボクは見ています。

「隠れトランプ支持者」とは誰か?

「差別すること」に対して敏感になるあまり、トランプ支持を素直に言うことができない環境だった支持者は少なくないでしょう。支持していない、といえば投票行動を変えさせようと働きかける人もいないですし、考えを深める機会も持てません。

「差別者」であることが罪悪のようにバッシングされることがトランプ支持者が支持者であり続けた理由とも言えそうです。まとめると、「隠れトランプ支持者」とは「トランプ発言を楽しむほどには差別心を持っているが、堂々とそれを言わないほどたしなみのある人」といえそうです。

つまり、ボクらのような「普通の人」なんですね。現在のボクの気持ちを正直に吐露すれば「きれい事を言う奴ら、ざまぁ!」と「トランプみたいな差別主義者が当選するなんて!」が同居しています。当選したことに対して面白いという気持ちはボクの「差別する心」から、当選して恐れおののく気持ちは「差別されることを恐れる心」から。この「内なるトランプ支持者」は誰にでもいる。そして、その支持者は全世界で増えています。

トランプに負けないために、ボク達ができること

ボクが関わる人はいわゆるマイノリティが多い、というか、ボクがマイノリティなのですが、この「内なるトランプ」の増殖におびえている人は大勢います。その恐怖はトランプ当選でピークに達した人も少なくありません。しかし、こういうときは、恐れにのみこまれてはいけません。

トランプショックに心砕かれそうな皆さん。

まず、ネットにつながるもののスイッチを切り、テレビの画面も消してしまいましょう。

そして、うまいご飯を、甘いおやつを、暖かい酒を、それぞれが一番好きなものを食べましょう。

そして、寝る。

明日から、「違う価値観」があらわになった世界がはじまる。でも、ボクらにとってそのせかいは「当たり前」にあったものだ。だから、これまで通りもがき生き続けよう。そのための体力を、今日は養おう。

というわけで、今日はボクも勝利と敗北の両方を抱きしめて、寝ます。なお、本日の晩御飯は白菜トマト煮でした。とても美味しかったです。

おやすみなさいませ。

くらげ

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