軟弱な聴覚障害者が増えるのはいいことですってお話

こんばんわ。あおが珍しくハイテンションで帰ってきて「これ、明日の朝まで眠れなくて明け方に頭ガンガンぶつけるパターンだ」と戦々恐々しているくらげです。

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今週のnoteを更新しました。

くらげ×寺島ヒロ 発達障害あるある対談 第34回 「オープンキャンパスは発達障害者にもめっちゃ大事!?どうやって問い合わせるの!?」ってお話


ボクはもともと障害のある大学生を支援する仕事をしていたので、進学に悩む寺島さんにがっつりアドバイスをば。

聴覚障害学生のパイオニアたち

ほんと10年前に比べると障害をもった学生さんは増えてます。発達障害者ばかりに目が行きがちですが、聴覚障害の学生もそこそこ多いんですよね。

ボクらの世代だと聴覚障害者が大学に進学するというのは珍しく、障害者だからと大学受験を断られることも珍しくありませんでした。 また、ごく一部の大学以外では情報保障が整っているどころか「情報保障ってなに?」というレベルからのスタート。

ボクのろう学校の同級生で一般大学に進学したのはたしか5人ですが、みんな情報保障を受けるために大学とすったもんだしたりバトルしたりとそれはもう様々な武勇伝がございます。

ある学友は文字通り学生課と怒鳴りあったとか授業ボイコットしたとか他の聴覚障害者学生と結託して(ry)な(ry)な騒動を起こしたりとそれはもう。で、そいつの大学では彼が4年生のときに情報保障が正式に認められました。いろんな意味でボクらの時代にはパイオニアが多かったですね。

で、それから14年くらい経ちますけど、文部科学省も情報保障をしなさいよ、聴覚障害者のサポートもしなさいよ、と大学に言うくらいには時代は変わりましたね。受験を断られると言うこともまず聞かなくなりましたし、ろう学校から大学に行く人も増えました。情報保障を受けるために教職員と怒鳴り合うような話も聞きません。

軟弱な学生が増えた?

一方で苦難の時代をくぐり抜けた学友たちは口をそろえて「今の聴覚障害のある大学生はバイタリティがない」と言います。今の障害のある大学生は自分から交渉することもなく大学側が丁寧に準備してくれることもあるので「やってもらえて当たり前」の意識だからよくない、ということですね。

実際、ボクの知っている若い聴覚障害者はみんなおとなしくいい子ですが、エネルギーが有り余って癖がある人は減りましたね。当時を知るろう学校の先生も「あんたらの世代はとにかく大変だったけど面白かったわ。最近の子たちはいい子なんだけどねー」とよく言います。

まぁ、老害の懐古主義ではありますが、社会が変われば障害者のありようもまた相互関係で変わっていきます。ボクらの世代が大学でとんがっていたのは大学にまだ障害に対する理解が少なく、その反骨心をエネルギーに変えていたんでしょうね。

軟弱者が増えるのはいいことです

ただ、ボクらの世代もまたさらに聴覚障害のある先輩方の社会運動に乗っかってはいるわけで、上の人たちからすれば「軟弱者」と言われています。 でも、誰も彼もが強く社会や大学とバトルが出来るわけではありません。バイタリティがないと生きていけない世界は健全ではない。だから、今の「軟弱者」が大学に増えている環境は歓迎するべきなんでしょうね。

でも、もうちょっと「暴れて」ほしいかなーと、無責任に思ったりするんですけど。

ま、今日はこれくらいで。では。

くらげ

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