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技術の進歩と加速する障害者格差問題を受け止めるために今考えること

こんばんわ。テキストエディタを導入しましたが、手持ちのキーボードが打ちにくくて、結局ポメラで原稿を書いているくらげです。

高いものには意味がある

ポメラDM200は価格的もキングジムのよくわからない情熱的にもキーボードに妥協がないのは当たり前なのですが、ボクの指はポメラの快適さに慣れすぎて安物キーボードが気にくわなくなったのねと贅沢さに泣き崩れていています。

DM200は薄いのにどっしりした厚みのあるの打鍵感なのですが、他のがどうもベニヤ板のようなペラペラ感が気になって気持ちよくスムーズに書くことが出来ない、という欠点が露見しております。

ヨドバシカメラでキーボードの試し打ちをしたところ、とりあえず「よし」となるものは1万円以上するものばかりで買えないよばーか!と逆ギレしております。

自分の要求するパソコンやモノのスペックが明らかなるに従い、「高いモノは高いなりの理由がある」という需要と供給の基本的な仕組みを魂の痛みと共に納得しつつあります。

以前ならキーボードの打鍵感の些細な違いなんて気にしなかったんでしょうけど、今では効率そのものに直結することが理解できましたし。まぁ、普通のモノでも自然に良いモノは高いんでしょうけど、今回の件で心底腹に落ちた感じがしますね。

とはいえ、何でも高いモノを買うわけにはいかないし、精通していない分野だと宝の持ち腐れなので慎重に吟味する必要があるのですが。

まぁ、ポメラがWindowsのキーボードになればすべて解決なんですけど、ソフトウェアのバージョンアップでなんとかしてくれませんかね、キングジムさん!?

note書きました

さて、今週のnoteを更新しました。

くらげ×寺島ヒロ 発達障害あるある対談 第44回 タスク管理は常に上書き!?ADHDが使いやすいネットサービスってどんなのがあるの!?ってお話|くらげ|note

今週の記事は以前にハマっていると書いたHabiticaとボクの知的生産マシン()たるWorkflowyについて寺島さんとガッツリ発達障害的視点から切り込んでみました。お読みいただければ幸いです。

技術が進むほど障害者の格差は加速する

倫理的問題と技術的限界の把握

21世紀も17年以上経つわけですが、今世紀に入ってからパソコンやWebサービスがほんとうに人類の生活を変えてしまいましたよね。さらにIoTだのAI(人工知能)だのロボットだのドローンだのが次世代の新しい産業として成立する見込みです。

道具というのは人間の能力を拡張するものですが、これらの技術がどこまで拡張できるは障害者支援に関わる全員が考えていかなければならない問題です。

ロボット義足やロボット義手は既にいつ頃手に入る価格で販売されるのかという段階になりつつありますし、iPS細胞のよる角膜移植手術も臨床実験に移ろうとしています。

もちろん、新技術による新製品の情報を集めることも大事なのですが、それ以上に『技術の倫理的問題』と『技術の限界』を真剣に考える必要があります。

たとえば、ロボット義手や義足ですが、装着すれば誰でも等しく性能を発揮できるものではないでしょう。障害の部位や残っている能力で装着後の性能が大きく左右されそうです。

これは人工内耳では既に起きている問題ですが、人工内耳をつけても聞こえるようにならなかった装着した障害者が「なぜ同じ技術を使っても自分はうまく聞こえないのか」と自分や医療関係者を責めることがあります。

技術の進歩を活かす総合的な観点を

障害を補う技術が進歩すれば進歩するほど、使いこなせる人とそうでない人のギャップの拡大は加速します。これは障害の状態にもよりますが、経済的事情や本人や家族の倫理観・人生観も影響します。

このギャップをどうフォローするか、経済的な支援や倫理観・人生観をどこまで受け止めるか、という総合的な視野が今以上に障害者支援の政治・行政・支援者・本人のすべてに必要とされます。

さらに突き進めると、「障害児を産まないための遺伝子治療はアリなのか」とか遺伝子的優生学のような生命倫理にも関わってきますよね。障害者を「減らす」ことが素直に素晴らしいとなってはまた違う気がします。

障害者は健常者になれない

また、最先端の技術で「出来ないことを出来るようにする」というフレーズが溢れていますが、障害者支援においてはこのフレーズは「0が0.2くらいになる」という意味で、健常者と同じようになれるわけではない。

今研究中のロボット義足は確かに歩けるようになります。しかし、杖を使って時速1.4キロメートルでしか動けません。足が動かない人が歩けるようになるのはすごいことですが、健常者と同じ土俵に立てるわけではないのですね。

このあたりの「限界」も理解しておかないとどんな高い機具をつけても「役立たず」と怒り出し絶望することもあるでしょう。これもまた装着者と支援者・医療者の両方ですりあわせをする必要のあることです。

今後は個々のロボットや支援技術についても取り上げたいですが、その前に統括的なボクの視点を書いてみました。

人工内耳装着者として

技術が進歩して障害者がどんどん自立出来るのは素晴らしいことです。同時に「限界」や「格差」がどんどん進んでいることも同時に周知される必要もある。これについては人工内耳というこの手の問題のトップランナーの装着者として、実感を語っていかねば、とは思っています。ホントしんどい問題ですよ。

ま、今日はこれくらいで。でわ。

くらげ

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