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「うつでも起業で生きていく」(林直人)を読んで個人事業主として節約できた話

会社を退職した

突然だが、家族の介助や自分の仕事のスタイルの問題で、6月末で勤めていた会社(メジャメンツ)を退職した。サニーバンク自体にはアドバイザーとして籍を残すし、サニーバンクの仕事は業務委託として受けることになるが、立場としては「個人事業主」になる。

仕事自体はありがたいことに様々な所からお声がけいただき生活をするうえではそれほど問題はない見込みだ。

事業を立ち上げたい

その上で、せっかく個人事業主という立場になったからには「自分で事業をちゃんとやってみたい」という欲求が出てきて「何かできるかな」と色々考えてみたのだが、自分にできることは文章を書くくらいしかない。

もちろん、仕事では1日に何千文字も書いているのだけど、リクエストがあってちょっとリクエストに応えるために書くという「作業」であって、何かの仕事を生み出しているわけではない。

この作業は「やればやるだけ稼げる」というものなので確実性はあるのだけど、クライアントから仕事を打ち切られたりすれば別な仕事を探すしかなくなるしその間の収入はとても不安定なものになる。

そういうリスクはもちろん理解して個人事業主になったわけなのだけど、クライアントがいなくても自分自身で仕事を生み出し稼いで行くということはそれ自体がリスクマネジメントでもあるし、「稼ぐ技術」を少しずつ覚えていくことはこの先何十年かは生きる(はず)上で必要不可欠になるものだと思う。

人工内耳をつけてある程度は会話や電話、オンライン会議もできるようになったし、ADHD からくる問題も薬や認知療法で随分と困りごとは軽減した。

とはいえ、「普通の仕事を普通の人のようにできる」わけではない。とても疲れやすいし、そもそも「遅刻をしない」という社会人の大前提ができないし、1日8時間決まった場所で働くというのがどうしてもできない。そういう中で生きて行こうと思えば「自分で稼ぐ仕事」を作っていくことは命綱を構築するということでもある。

「うつでも起業で生きていく」と出会って

そういうことを考えている中で現在とても参考になっているのがTwitter の相互フォロワーの関係でもある林直人さんの「うつでも起業で生きていく」だ。

林さんとは以前一度お会いしたことがあるが見た感じとてもエネルギッシュで活発な印象を受けるが、学生時代からうつ病で大変な苦労してるという。その中でなんとか生きていこうといわゆる「成功した起業家」をモデルに起業したが「大失敗」を繰り返してうつ状態はますますひどくなっていったようだ。

しかし、七転八倒の末「うつ病はうつ病なりに起業するやり方がある」と気づいて学習塾を起業し、オリジナルもメゾットを作り上げながら事業を大きくしている。そのメソッドを余すことなく書いたのがこの「うつ起業」である。

私はADHD であるが、それゆえの社会との軋轢から精神的にかなり疲弊し「うつ状態」に陥っている。現在はだいぶ回復したがそれでも「うつ状態」がぶりかえしてしんどい日は多い。そのため「うつ起業」で紹介されているメソッドはとても参考になる。

固定費を削減できた

詳細についてはぜひ本を読んで欲しいのだが、私がこの本を読んでこれまで役に立ったこととして、個人事業主の開業届を出すにあたって必要なものを「厳選」することができたというものがある。

経験者は分かると思うのだが「うつ状態」になると1ヶ月好調が続いても(それ自体めったにないことだが)翌日から一か月間何もできずに寝込んでしまうようなことが当たり前に起きる。だから「うつ起業」では徹底して「固定費」を省けと説く。調子が良い時はいいのだが寝込んでしまう時に何もしなくても払わなければいけない固定費が発生するのはとても辛いことだし、資金がすぐに尽きてしまうしてしまう恐れがある。

私はどちらかといえば見栄っ張りなので「せっかく個人事業主になるのだから」とあれこれ買ったりサービスに契約しようとしたが、ここを読んで「お金をかけるのは必要不可欠なものだけに限る」と決意して、固定費になるものを全てリストアップして手元にあるもので対応できないかとか、特にお金をかけなくても問題ないものは徹底的に省いた結果、それだけで月々数万円の固定費を圧縮できたはずだ。もちろん、どうしても必要になったら購入・契約することもあるだろうけど「今の手持ち資金」をほとんど減らさないで開業することができた。

今の段階ではまだ新しい事業を立ち上げてはいないのだが、私のようなうつ状態であってもどのような分野なら事業を起こして戦っていけるかとか、うつ状態の人が人を雇うテクニックなどが豊富に書いてあるので、この先進んでいくための大きな指標になりそうである。

というわけで、もし「うつ状態」であって何かやりたい事がある・起業してみたいという方がおられたら是非一度「うつ起業」を手に取って読んでほしい。本は1500円程度だが、うまく活用できればその10倍100倍分の利益が生じるはずである。

生き延びよう

さて、今回はこのくらいで。皆様、なんとか自分の生きていく道を探していきましょう。では。

くらげ

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