こんばんわ。くらげです。
セルフネグレクトとは
先日、セルフ・ネグレクトに関する覚え書きのような記事を書きましたが、それ以来「発達障害はセルフ・ネグレクトに陥りやすいのでは」と考え続けています。
セルフ・ネグレクトの定義は「生活の必要な行為を行わない・行えない」に加えて「問題が起きても周囲に助けを求めない」ことだそうです。
生活していくのに必要な行為を行わない、あるいは行う能力がなく、そのために生活環境や健康状態が悪化しても、周囲に助けを求めない状態のこと。認知症などで判断力が欠けていたり、近親者に先立たれたなどの理由で生活意欲が低下していたりといった意図しないでそのような状態になっている場合と、本人自身の意思で意図的に自分を見放している自己放任の場合とがある。
生活に必要な行為とはたとえば食事だったり、着替えたり、ゴミを捨てたり洗濯したり、という日常的なことですね。つまり、日常的なことが日常的に出来なくなると人間すぐに不衛生になるということなんですが。
発達障害とセルフネグレクト
片付けられない
発達障害、とりわけADHDの概念が日本に定着するきっかけとなった本の一つに「片付けられない女たち」がありますが、このタイトルでもわかる通り、ADHDは上記のような日常的なことを普通の行うのが難しい障害でもあります。
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なぜできないのか
ADHDが日常的な動作が難しい理由はこれも様々なのですが、ボクの場合は「常に頭の中で何かが思い浮かんでいて食事や掃除などに手がつかない」というのが普通だったからですね。何かしていないと落ち着かないのですが、「今やっていること」「今やらなければいけないこと」と脳内での「やるべき事」と不一致だとまったくやる気が起きない、という問題です。
高校時代の先生からは「くらげは納得さえすればすごく優秀だけど納得させるのが大変だ」とコメントと頂いたことありますね。まぁ、今でもぜんぜん変わってないのですが、この手の能力の偏りがADHDから来ていると理解してだいぶ調整出来るようになりました。
嫌われる悪循環
話を戻すと、ADHD(を含む発達障害)があると日常的な衛生管理も難しい。そうなると不潔になりやすく身体から異臭がして服もろくに洗わないもんだから臭いますよね。ただでさえ他人と衝突しやすいのにそういうところからも嫌われ、さらに孤立するという悪循環になります。
問題を理解できない
そして、ADHD本人は「何が悪いか」を理解していません。一時は本当にこういう悪循環の中にいたのでわかるんですけども、「周囲が難癖つけてるだけ」「自分に問題は無い」と思い込んでいるので直しようがないというか、何が悪いかわからないから助けの求めようも無いのです。
しかし、周囲からみればもう変人奇人そのものですからどんどん孤立を深めていき、最終的には完全にセルフ・ネグレクトになる、ということは容易に考えられることです。っか、よくそこまで落ちなかったな本当に・・・。なので、発達障害とセルフ・ネグレクトはかなり近いところにあると感じてはいます。
助けを求められないという問題
本当に問題なところ
で、セルフ・ネグレクトというと「ゴミ屋敷」とか「不摂生」「不潔」というのは間違いなくそうなんですけど、それよりも「助けを求められない」というが焦点です。
助けを求める必要性を感じないままに無為に病気になって医療費で家族の負担がやばいとか、近所を巻き込んだトラブルを起こして行政の介入とかもあるわけなので、「あなたは助けを必要とする人間です」と説得するのは、その本人よりも周囲(近所・家族等)の安全のためにも必要だったりするんですね。
子供を殺害する親とネグレクト
いま、読売新聞で子どもの障害や病気に悲観して親が子を殺めた事件の検証を連載しているのですが、これも「家族が限界に追い詰められても助けを求めることが出来ない」という原理が働いているのはセルフ・ネグレクトと同じですね。
助けを求めない人を助ける方法はあるのか
ただ、この「助けを求めていそうな人」をどう発見して手をさしのべるかは本当に難しい問題です。ソーシャルワーカーや行政はただでさえ「助けを求めている人」で手一杯なのに「助けを求めない人」を探す余裕なんざないですね。
とはいえ、切り捨ててよいのかというとそれはそれで社会的なコストがかかるわけでして状態が軽度なうちに救済することにことしたことはないです。となれば、どうすればいいの、となりますが、これについてはボクは「難しいなー」としかいえないので、もっと勉強を深めていきたいですね。
一声かけるという支援
ただ、周囲に困っていそうな人がいたら「あなたは困っているのでは?」と一声かけるのもほんと大事な支援なので、勇気を持って一言声をかけてあげてくださいませ。
さて、今日はこれくらいで。皆様踏ん張りましょう。では。