こんばんは。くらげです。
えらてんとは誰か
さて、私と相互フォローしている方に「えらいてんちょう」(えらてん)という方がいます。
えらてんはいろいろ複雑な経歴の末にリサイクルショップを開業して成功。その後、学習塾を買収したり、イベントバー「エデン」を開店して瞬く間に全国に7店舗構えたり、とすさまじい速度で事業を進め、現在はほとんどの事業を譲渡・売却して「ショボい起業コンサルタント」として活動する傍ら、Youtuberとしても盛大にバズっている、という「えらい」人物です。
えらてんとはバーエデンで「くらげ発達障害バー」というイベントをして以来ちょくちょくやりとりしていて、彼の影響で「マネーの虎」で45万円の開業資金を獲得したり(後に返却)、Youtubeを開始したりとわりかし影響を受けていました。最近はあまりに大物になったのでおいそれと話しかけることもできませんが・・・。
話題の「しょぼい起業で生きていく」を買った
さて、そんなえらてんの初著作「しょぼい起業で生きていく」を昨日購入し、一気に読み終えましたので考えたことをメモしておきます。
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まず、「しょぼい起業で生きていく」は「優秀で儲けたい人のため」の本ではありません。そのような本をお求めの方はビジネスコーナーで有名な「成功者」の本を買うのをお勧めいたします。
この本は、朝は起きられない、満員電車に乗られない、8時間も机に向かっていられない、という「普通のサラリーマンができない」とような方々に対して「生きる延びるため」のメソッドとして「しょぼい起業」というものがあると訴えています。あと一つ抜けたら「生活保護しかない」(あるいはそれさえない)という人のための本ともいえます。
そういう意味ではサバイバルブックです。あまり一般的な需要があるとも言い難い気がしますが、この本はかなり売れているようです。この勢いだと10万部いくんじゃないか、とか感じています。少なくとも初版の14,000部はすぐに在庫が切れそうですね。
この勢いはえらてんのSNSの戦略が非常にうまいというのもありますし、本を出す直前にYoutubeがバズったのもありますが、それ以上に「生きにくい人」がどれだけ多いのか、ということでもあるのでしょう。
現代の「無能の人(つげ 義春)」としてのしょぼい起業
「しょぼい起業で生きていく」を読んでいてふと思ったのは、つげ義春の「無能の人」という漫画と重なるところがあるなということです。
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「無能の人」は中古カメラを売ったり石を売ったりするも全く商売にならず生活は苦しく、妻には文句・悪口を言われる売れない漫画家が主人公なのですが、決して頭が悪いわけではなく、むしろかなりインテリとして描かれています。
しかし、インテリであるが故に独特な世界があり、世界となじみにくいという悲壮さがより際立っています。この漫画が今でも名作とされるのは、あまり語れることのなかった「いきにくい人たち」をリアルに描かれたからではないでしょうか。
そして、「しょぼい起業で生きていく」は、まさに現代の「無能な人」に向けられたものではないか。「無能の人」はどの時代、どの場所にもいたでしょう。でも、その声はあまりにか細く容易に消えていました。ただの無能として表舞台に立てずに静かに朽ち果てていっていました。
しかし、今の世の中にはインターネットがあり、SNSがあります。「無能な人」(≠無能)が集うことによって情報交換ができます。しょぼい起業をすることもできます。えらてんはしょぼい起業がはやれば日本はよくなる、と主張していますが、これまで生きにくかった人の光となることでしょう。その金字塔となる一冊であると感じています。
くらげはしょぼい起業はするのか
と長々と述べましたが、私自身は「しょぼい起業」はしないです。
というものも、私自身は「サラリーマン兼しょぼいライター」としてのライフスタイルが固定していますし、なんとかかんとかしょぼい起業をしなくても食えています。完全に生活基盤が崩れたらまた考えますが。
あと、「しょぼい起業で生きていく」に書かれているメソッドはわりと若い人向けですね。おっさんおばさんにかわいがられる年齢まで有効でも、30過ぎると急速にきつくなりそうで、もう一ひねりする必要がありそうです。
逆に言うと「インテリで頭のいいけどなんか生きにくい若い人」にはドストレートに効きますし、この本で書かれている思想を実行してもいいんじゃないでしょうか。まぁ、この本にどれだけの普遍性があるかは、えらてんに影響されてされて「しょぼい起業」をする方々が証明していくでしょうけども。
仕事の定義が変わっていく時代に
現在社会では「仕事の定義」すら恐ろしい速度で変わっていきます。その流れの中の一つとして「しょぼい起業」はあります。
しかし、えらてんの変化のスピードをみるにつけ「しょぼい起業」の中身もどんどんブラッシュアップされていくでしょう。それについていくために必要なのは教養と好奇心だと思います。
ですので、若い皆様は、是非いろんな本を読んだり好奇心の赴くままに起業してみてください。まぁ、成功するかどうかはさておき、なにもしないより楽しいと思います。ノンストレスでがんばりましょう。
踏ん張っていきましょう
さて、本日はこれくらいで。皆様、自分にあった仕事のスタイルを探しつつ、踏ん張っていきましょう。では。