伊藤計劃「ハーモニー」を読みながら「正しさに溢れたネットの行き先」について考えたってお話

日記
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こんばんはくらげです。

通院日は読書日より

本日は定期的な通院日でした。最近は調子がいいので、ただ現状を話して薬をもらうだけなのですが、通院や待ち時間、薬局で処方される時間などを合わせると一日が潰れてしまいます。

近くの精神科に通いたいとは思うのですが、土曜日に開いてる病院が少なく、以前もブログに書きましたが、精神科の転院は大事になりがちです。また、担当医と関係も悪くないので時間がかかるのですが、まあ仕方ないかなと思っています。

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ただ、通院時間は格好の読書タイムで、1ヶ月に1冊は分厚い小説や社会問題に関する本を読みますが、通院日に読み切ることが多いです。それだけ暇なんですね。まぁ、普段はこれだけまとまった暇な時間を作れることは少ないので、有効活用していきましょう。

伊藤計劃「ハーモニー」

さて、今回も例に漏れず本を持っていきましたが、今回は伊藤計劃の「ハーモニー」でした。既に一回読んでいたのですが、思うところがあって再読です。

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伊藤計劃については以前もブログで書いていますが、2006年に「虐殺器官」という小説でデビューし2009年に肺がんのために死去した SF作家です。

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活動した期間はたった3年ですが、その短い期間で生命を燃やし尽くすかのように傑作を作り日本SFに伝説を残しました。ここ数年では僕に最も影響を与えている作家です。「ハーモニー」はその伊藤計劃の遺作となった小説です。

全世界で戦争と核爆発、それにともなう突然変異したウイルスが蔓延して数億人が犠牲になった「大災禍(ザ・メイルストロム)」後、人間は徹底して「人当たりがよく」「健康で」「命を大切にする」という社会になりました。最終的にはすべて「合理的」になったとき、人間の意識は消滅するかどうか、という問題に突入します。(どういう結末を迎えるかはぜひ読んでいただきたく)

ハーモニーと息苦しさを感じるネットの中で

この本を読んで僕は人間の存在価値とは何だろう、正義とは何だろう、「正しいこと」とはなんだろう、と再考するのですね。

この小説で描かれる「優しい社会」は毎年増加する自殺者に悩まされていますが、その姿は決して遠い未来の話ではなく、今、ここで起きている「ネット社会での正しい息苦しさ」とオーバーラップするのですよ。

ボクが最近のネットの言論に戸惑うのは「間違ったこと」に対するバッシングの強さです。もちろんあまりにもひどい物言いがあまりに目につきやすいところに多いのは事実なのですが、これは「間違った事を言ってはいけない」という不自由さにもつながっているのではないでしょうか。

「間違ったことをしてはいけない・言ってはいけない」という果てになにが起こるかといえばそれはあまり愉快ではないことでしょうね。この小説ではその問いに答えを出していますが、我々の社会ではどういう結末が待っているのでしょうか?

さて、私たちはどこまで『正しく』あるのでしょうね?そして、『正しく』なくてはならぬのでしょうね。そういう疑問が次々と湧いてくる読書でした。

踏ん張りましょう

さて、今日はこれくらいで。皆様、「正しさ」を超える努力をしつつ踏ん張りましょう。でわ。

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